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8.302024
電流の速さは?|電気の疑問シリーズ6
みなさん、『電流の速さ』をご存知でしょうか?
もし、『電流の速さ=電子の速さ』と解釈されていましたら、
これはれっきとした誤りになりますので、ご注意を!!
正しくは、『電流の速さ=電位の伝達速度』であり、
『発電所でつくられた電気が各家庭に到達するまでの速度』
といった表現の方が分かりやすいでしょうか。
では、改めて、「電流の速さ」はどれくらいなのか?
厳密に言いますと、『その材質中の光速』になりますが、
そのまま『光速』と考えて差し支えないかと思います。
「照明のスイッチをオンすると瞬時に明るくなる」 そんな何気ない事象が、
まさに、この『電流の速さ=光速』を証明していることに他ならないわけです。
さて、冒頭の「電流の速さ=電子の速さ」の誤った解釈について、
もう少し掘り下げてみましょうか。
先ず、電流に関して、
「導体の中を電子がマイナスからプラスへ滞りなく水流のように移動している」
もしかしたら、このようなイメージを持たれてはいませんか?
実際の電子の正しいふるまいとしては・・・
電子は原子核の周りをグルグルまわっているが、
何かの拍子でその軌道から飛び出してしまう。
電子が1個抜けた原子はプラスの電荷を帯びて、
飛び出した電子は『自由電子』と呼ばれ、マイナスの電荷を帯びる。
さらに、束縛から放たれた自由電子は電子を失った別の原子と結合するが、
全ての自由電子がマイナスからプラスの方向にきっちり隣にズレていく訳ではない。
通常はランダムに近くの原子に結びつくが、電圧に引かれることによって、
ランダムの中でもマイナスからプラスの方向に飛び出す自由電子が割合として増えるようになる。
このような状況の中で、電子の移動速度自体は『光速の200分の1程度』になりますが、
平均移動速度となると、あっちこっちへと寄り道が多くなりますので、
『0.075mm/秒』と言われています。
ましてや、交流電流の場合では、1秒間に50、60回の電流の方向変化がありますので、
結果、電子は常にその場をウロウロしているにすぎないということになります。
そうしますと、『電流の速さ=電子の速さ』は明らかな誤りであることがわかると思います。
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