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1.202023
なぜコンセントの電気は交流なのか?|電気の疑問シリーズ2
電源プラグをコンセントに挿す時、
こんな疑問を感じたことはありませんか?
『なぜ、交流?』
こんにちは、ハード部です!
電化製品の大半は、直流電源で動作していますが、
なぜコンセントの電気は、交流なのでしょうか?
私たちが日常的に使用している電気は、発電所から供給されます。
その際に、初めは数十万ボルトという大きさの電圧で送電され、
都心部で6600ボルトに、電柱上の変圧器で200V、100Vの電圧に変換されます。
【1】電圧の観点から・・・
では、高い電圧で送電する理由は何か?
ここで、100kWの電力を送電するケースを考えます。
電力(W)は、電圧(V)と電流(A)の積で求められますので、
1000Vで送電する場合は、電線に100Aの電流が流れることになります。
一方、10000Vで送電する場合は、10Aの電流が流れます。
次に、電線には、ごくわずな電気抵抗が存在しますので、
電流が流れると必ずそこに電力の損失(発熱)が生じます。
そうしますと、流れる電流が大きくなるほど、その損失も大きくなりますので、
同じ電力で送電する場合に、
「高電圧/低電流」の方がより少ない損失で送電することができることになります。
すなわち、「10000V/10A」のケースの方が、効率よく送電することができます。
これで、高電圧で送電する理由が理解できたと思います。
【2】変圧の観点から・・・
続きまして、高電圧を家庭で安全に扱える電圧まで下げる工程、変圧について考えます。
交流、直流での変圧の方法は、おおむね以下のとおりになります。
☆ 交流での変圧の方法
⇒ 変圧器(トランス)の1次、2次の巻き数を変えることにより変圧を行う
☆ 直流での変圧の方法
⇒ 変圧器を直接使用することができない
「高圧直流→高圧交流→(変圧)→低圧交流→低圧直流」の工程が必要となる
両者の変圧時のエネルギーロス、設備コスト、スペースを各々比較すると、
全ての面で交流の方が優れているという結果になります。
以上の1、2の観点から、発電所から家庭までの長距離を送電する場合には、交流の方がより適切な方式
ということになり、これで、コンセントの電源が交流である理由がおわかり頂けたと思います。
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